【神社参拝記】飛行神社に日本精神の可能性の極限を見た

2020年7月5日

以上をふまえた上で、冒頭に述べた通り、私はこの飛行神社が、日本そして日本人の精神の可能性が極限まで顕現した神社であると考えています。その精神は次のようなものです。

 

 

①自己中心的な考えから離れた他者への思いやり、優しさ

飛行機発明以来、航空事故が多発するようになったことに心を痛めた忠八は、事故犠牲者の慰霊が飛行機開発に携わった者としての責任だと感じ、私財を投じてこの神社を創建しました。

彼はもともと飛行機開発のために精勤し財産を蓄えていたのでしたが、上記の通り、不運にもその使途を絶たれることとなりました。しかし、彼は、その当初の目的には資することのできなくなった私財を、利己的な目的には使わず、飛行機事故犠牲者の慰霊、しかも日本のみならず世界中の飛行機事故犠牲者の慰霊のために使ったのです。

この忠八の行動に、自己中心的な考えから離れた他者への思いやり、優しさという、日本の精神を感じます。

 

 

②死者への敬意、感謝

飛行機事故犠牲者は、飛行機、そして航空業界の発展に殉じた英霊であり、彼らの犠牲無しに、飛行機の恩恵に与る今の私たちの便利で豊かな暮らしは実現し得なかったのです。忠八は犠牲者の霊を神として祀ることで、彼らへの敬意と感謝を表したのです。この忠八の行動に、死者への敬意、感謝という、日本の精神を感じます。

 

③寛容性・多元性

世界の航空産業の発展を願い、また航空事故犠牲者の慰霊を主眼とすることから、世界各国の人にお参りしてもらえるために、神社であるにもかかわらず、本社の拝殿は洋風の建築を擁しています。一方で、本殿は、伝統的な神社の建築様式である流造なのです。また、天磐船(あまのいわふね)に乗り天下りしたという神話に重ね合わせることで、主祭神である饒速日命は、現代文明の利器である飛行機の神様として祀られます。この東西・新旧を折衷をし、付会する本社の姿勢に、寛容性・多元性という日本の精神を感じます。

 

 

殉難者そして先覚者への感謝の気持ちを込めて、

また航空業界の復興への願いを込めてお詣りしてきました。

 

二拍手をすると、少し涙がこぼれました。

 

 

 

 

 

☑飛行神社へのアクセス

開門時間等、詳細は飛行神社公式webページにてご確認くださいませ。

https://www.hikoujinjya.com/

 

最後までお読みいただきありがとうございます。
現在ランキングに参加中です。
下の投票ボタンより投票を頂けますと、励みになります。よろしくお願い申し上げます。